
プリケツは片足を極めよ🍑
- tremjapan
- 7月2日
- 読了時間: 6分
みなさんこんにちは!
明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。
今回のテーマはタイトルにもある通り、
"お尻をプリッとあげるためには片足トレーニングが有効"だよ、ということを掘り下げて解説していきたいと思います🍑
と、片足トレーニングを語る前に…
下半身の筋肉を大きくする種目の代表的なものには皆さんご存知のスクワットがあります。
キングオブエクササイズとも呼ばれるこのスクワットは、バーベルを担いだ状態でしゃがんで立つを繰り返すシンプルな種目で、股関節・膝関節・足関節を大きく動かす下半身の筋肉への刺激も強くなります。
深くしゃがむスクワットでは特に股関節を大きく動かし臀筋群へのダメージが強くなるので、これがお尻を大きくすると言われている所以でもあります。
しかし、股関節の構造や臀筋以外の筋肉に注目したとき、片足で行う下半身トレーニングも有効な点がたくさんあります。
今回はその利点を機能解剖学の視点から解説したいと思います。
まずはスクワットの長所と短所を知るところからはじめていきましょう🦵
メリット
①筋肉の動員が大きい
②体重増加に有効
②体幹にかかる負荷が大きい
前述した通り、スクワットは両足で立った状態で動作するため「重さ」を扱うことができます。
それに伴い、体幹をはじめ下半身の筋肉にかかる負荷は強くなります。
たくさんの筋肉が動員されることから筋肉量を増やして体重を重くしたい方には非常に有効です。
しかしデメリットも存在します👇
デメリット
①脊柱の圧迫ストレスがかかる
② 脊柱への剪断力がかかる
③ 足が太くなる
④joint centrationの逸脱
まず①の脊柱への圧迫ストレスに関しては、スクワットではバーベルを背中に担ぐので長軸方向に軸圧(上から下への圧力)がかかります。
人間の身体には脊椎間を広げる筋肉が存在しないので、強い負荷をかけ続けることで椎間板が変性してしまったり腰痛を引き起こすリスクがあります。
圧迫ストレスとは違い、②の剪断力は、スクワットの動作中は体幹部分を前に倒すので、体幹部分を真っ二つに折るような剪断力が加わります。これも脊柱に対して大きなストレスになってしまいます。
③の足が太くなる理由としては、スクワットの姿勢は股関節外転位なので、股関節周りの靭帯が緩んでジョイントセントレーション(関節が中心軸を保っている状態)ができなくなります。
この状態では股関節が不安定になり、筋出力が弱くなります。
股関節の出力が弱くなると、そこを補うようにして膝関節が優位に動くので大腿四頭筋が過剰に使われます。
つまり、股関節のハマりが弱ければ大腿四頭筋が優先的に働くため、お尻ではなく足が太くなってしまうというわけです。

④のjoint centrationとは、③でも説明したように関節砲と関節窩の接地面積が1番大きい状態のことをいいます。
人間は本来、歩く時や走る時の足は身体の正中線上にくるようにできて、股関節内転位で強い力を発揮するようにできています。
それがスクワットのように両足で立った時のように外転することで、関節が正しい位置で転がるPICR(瞬間回旋中心)も破綻してしまいます。

このように機能解剖学の視点からスクワットをみてみると、意外と短所も多いためスクワットは必ずしも万能では無いことがわかります。
では次に、片足の種目がお尻の発達に有効な理由について解説していきます。
片足の脚トレ種目を推奨する理由👇
(ランジ、RFE、スプリットスクワットなど)
①効率的筋力の増加
②脊柱への負荷軽減
③スタビリティ機能の向上
④筋緊張と脊椎圧迫ストレスを低下させ、随意的な筋出力は向上させる
①に関しては、片足種目では足が正中線上にくるため、股関節のjoint centrationができます。
関節が安定することで、お尻周りのインナーマッスルや細かい筋肉も動員されるため、お尻の筋肉の筋力発揮がしやすくなります。
②の脊柱への負荷軽減については、片足スクワットは両足でのスクワットに比べて30%以上も脊柱にかかる長軸方向への軸圧や剪断力が軽減するといわれています。
③のスタビリティ機能の向上は、片足で立つと、lateral sub System(ラテラルサブシステム)といって横ブレに対して同側の内転筋と中臀筋、対側の腰方形筋が協働して働きます。
この作用がお尻をただ大きくするだけではなく、立体的にキレイな形を作るためにかなり有効になります。
④は少し難しい話ですが…
両足のスクワットでは、筋緊張と脊椎の圧迫ストレスがものすごくかかります。
この刺激を長いこと続けたり、そのまま放置すると随意的な筋出力が低下し、強い力が出せなくなることがわかっています。
強い力が出ないともちろん筋肉は発達しないので、筋出力がしやすい状態に保つことが大切です。
片足性負荷の種目は、このような筋緊張と圧迫ストレスを軽減してくれるので、長い目でみると採用するメリットは大きいです。
以上のように片足種目をオススメする理由はたくさんありますが、共通していえることは、
強い力を出せる"身体の状態を作る"ことです。
ついつい強い負荷をかけれる"種目"を選ぶことを考えてしまいますが、
強い"負荷をかけれる状態"にあるのか
に目を向けて、その時々によって最適なトレーニングを選択する力を身につけることが大事になってきます。
腰が良くないのに重さが扱えるからといってスクワットばかり行うとかえって逆効果になります。
身体の調子がいい時はガツンとスクワットで刺激を与えて、あとは片足種目でお尻の筋肉を効率よく動かすというようにしていけばさらにヒップラインは良くなると思います。
根性頼りのスクワットだけになることなく、知識をフル活用した片足の脚トレを極めてキレイなお尻と脚のラインを手に入れましょう🍑
最後にオススメの片足種目を2種類紹介するのでぜひ参考にしてみてください🔥
バックランジ
重たいウエイトを扱いたい時は、安定性を出すためにスミスマシンを用いてランジを行います。
地面を押した時に反対の片脚を引き上げることで、ヒップロック(共収縮)が生まれます。
これはお尻の筋肉を最大限に収縮させた時に脚を引き上げた方の骨盤が上に持ちあがる現象です。
ヒップロックが出るまでお尻を収縮させましょう。



ウォーキングランジ
トリプルエクステンション(股関節、膝関節、足関節の伸展)とトリプルフレクション(股関節、膝関節、足関節の屈曲)が大きくとれることがメリットです。
この種目の特徴として、ロコモーション(重心移動)の要素があるため体幹の筋肉の動員が増加します。
体幹を使いながら下肢の筋肉を刺激することで、ウエストを引き締める働きをしながらヒップラインの形成も可能になる種目です。
