top of page

フォームを意識しすぎると筋肥大の効率が下がる理由

  • 1月28日
  • 読了時間: 4分

― internal focus と external focus の使い分け ―




みなさんこんにちは!明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。


トレーニングにおいて「フォームが大事」という考え方は、当たり前のようにみなさん理解していると思います。

ケガの予防や動作の再現性を考えれば、フォームを整えることは欠かせません。


一方で、フォームを丁寧に意識しているにもかかわらず、筋出力が伸びず、結果として筋肥大が停滞するケースも見られます。


この背景には、人間の脳がどのように身体を動かしているのか、そして 注意の向け方が筋出力に与える影響が関係しています。



◾︎人間の脳は「筋肉」ではなく「動き」を制御している


人間の脳は、

「上腕二頭筋を収縮させてバーベルを持ち上げる」

といった形で身体を制御しているわけではありません。


実際には、


  • 肘をどこまで曲げるか

  • 重りをどの方向に動かすか



といった 「動作や結果 」を基準に運動を制御しています。


そのため、

「どの筋を使うか」を細かく意識するよりも、

「どのように動かすか」を意識した方が、

身体は効率よく動きやすく、結果として高い力を発揮しやすくなります。





◾︎internal focus と external focus



この考え方は、運動学習・運動制御の分野の

internal focus と external focus という概念と一致します。


  • internal focus

    筋肉の収縮、関節の位置、フォームなど、身体の内部に注意を向ける意識


  • external focus

    重りを動かす、床を押す、バーを上げるなど、動作の結果や外部対象に注意を向ける意識



例えば、


「大腿四頭筋を使う」

「上腕二頭筋の収縮を感じる」



といった意識は internal focus にあたります。


一方で、


「床を強く蹴る」

「バーを真上に押す」



といった意識は external focus です。





◾︎internal focus は筋出力を下げやすい



この二つの 意識が筋出力に与える影響については、多くの研究が報告されています。


それらの研究では一貫して、


  • 最大筋力

  • パワー発揮

  • 動作効率



において、

external focus の方が高いパフォーマンスを示す

ことが確認されています。


これは感覚論ではなく、


  • 不要な筋の共収縮が増える

  • 運動が自動化されにくくなる

  • 神経的な出力効率が下がる



といった 神経制御上の違いとして説明されています。


つまり、


筋肉の使い方を細かく意識しすぎると、

かえって力が出にくくなる


という現象は、科学的にも裏づけられているということです。





◾︎コンパウンド種目では「意識しすぎない」ことが重要になる



スクワット、デッドリフト、ベンチプレスといったコンパウンド種目の主な目的は、高い筋出力を発揮し、大きな外的負荷を扱うことです。


このような場面では、


  • internal focus を強めすぎる

  • フォームを細かくコントロールしようとしすぎる



ことで、


  • 出力が抑制される

  • 扱える重量が伸びにくくなる



といった状態に陥りやすくなります。


フォームを守ることは重要ですが、

フォームを意識しすぎないという考え方も、

筋力向上や高張力を狙う局面では必要になります。





◾︎ボディメイクでは internal focus が必要な場面もある



一方で、ボディメイクを目的としたトレーニングでは話が変わります。


特定の筋を狙い、


  • ライン

  • バランス



を作っていく場面では、


  • 筋の動きを意識する

  • 代償動作を抑える



といった internal focus が有効になるケースも多い。


筋電図研究においても、internal focus によって

特定筋の活動が高まること自体は確認されています。


したがって、


internal focus は誤り

external focus が常に正解


という単純な対立構造ではありません。





◾︎重要なのは「使い分け」



ここで重要になるのは、


  • 何を目的としているのか

  • どの種目を行っているのか

  • 今はどのフェーズなのか



という視点です。


  • 筋力・出力を高めたいコンパウンド種目

    → external focus を優先し、フォームを意識しすぎない 


  • 形づくりを目的としたアイソレーション種目

    → internal focus を使い、狙った筋をコントロールする



このように、

場面に応じて意識を使い分けることが、

結果として筋肥大の効率を高めることにつながります。



YouTubeやSNSでは、

「〇〇筋の収縮を意識して」

といった表現をよく見かけます。


しかし、その意識が

すべての場面で正解とは限りません。


科学的に見れば、筋の収縮を直接コントロールするような意識は、必ずしも高い出力や効率的な動作につながらないことが分かっています。


重要なのは、その意識がどの目的・どの局面で使われているかです。





◾︎まとめ



  • 人間の脳は筋肉ではなく「動き」を基準に身体を制御している

  • internal focus は動作制御を高めるが、筋出力を下げやすい

  • external focus は神経効率を高め、高出力を出しやすい

  • ボディメイクにおいては、場面(目的や種目)に応じて意識の使い分けが必要



フォームを意識すること自体が問題なのではありません。

意識の向け方を、目的に応じて使い分けることが重要です。


この視点を持つことで、

より効率的なトレーニングが可能になります。

 
 
trem_logo_240401_tagline_lockup_jp_bl.jpg
bottom of page