2024ボディビル減量備忘録
- Daisuke Inoue
- 2024年10月23日
- 読了時間: 6分
更新日:2024年10月31日
みなさんこんにちは!
明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。
選手として、運営として関わらせていただいているANNBBFの全日本選手権が、先週末10月20日に無事に終わりました。
結果としては8位という順位をいただき、満足はしていませんが、出来上がった身体には納得しています。
年始から約10ヶ月間、緩やかに減量を進めた今シーズンでした。
ステージに立つのが1年振りということもあり、減量期間を短く設定してしまうと
・筋肉量が失われること
・皮膚のたるみができてしまうこと
のリスクが高くなるため、少し長めの期間を設定して取り組むことにしました。
そんなロングスパンのシーズンの中で取り組んだ減量の具体的な内容、感じたことを今回は書きたいと思います。
▪︎2024年のテーマ
今回大会に出場するにあたり、自分の中でテーマを決めて取り組むことにしました。
スポーツなので優勝を目指して勝ちにいくという気持ちはもちろんありますが、ボディビルの競技特性上、他者との比較により順位が決まることから順位を第一目標には設定していません。自分の身体をどれだけインプルーブできるか、これを1番の軸に
・アウトラインを残す
・アッパーフロントの強化
・筋肉にハリがある仕上がりにする
前回からの課題であったこの3つを改善することを目標に取り組むことにしました。
◉減量ペース
2023年シーズンは大会運営をメインに動いていたため大会出場はお休みしていました。
1年振りの減量・試合ということもあり、「ゆっくり、じっくり」筋量を落とさないことをテーマに月1-2キロ減を目標に減量を進めました。
さらに、10ヶ月と期間が長くなるため、前半は”食事をキレイにして代謝を上げる期間”として、かなりスローペースでスタートし、中盤で代謝を保ちつつカロリーを落としていき、最後の1ヶ月で仕上げるプランです。
73キロから60キロ前後まで落として大会を迎えるイメージで計画を立てました。
月ごとの減量幅とカロリーは下記の通りです⬇️
1月~5月 (間食をなくしクリーンな食事にする) 月-1㎏ 2500Kcal/日
6月〜9月(本格的な減量で試合の1ヶ月前に目標体重まで落とす) 月-2Kg 1900-1500kcal/日
10月(コンディションに合わせて微調整をする) 月-0.5kg 1300-1100kcal/日
摂取カロリーが基礎代謝を下回るのは良くないというのが通説ですが、自分の場合それでは到底ボディビルの絞りには到達できないため、最後はカロリー計算は当てにしません。
日々変わり続ける身体をしっかりと観察しながら食べる食材や量、タイミングを変えて調整しています。
その代わり、ラスト1ヶ月の調整に入るまではある程度エビデンスに則った減量をすることで筋量を残すことができたと思います。
◉トレーニングルーティン
トレーニングは2on1off(2日練習して1日休む)のサイクルで3分割(push、pull、leg)で行いました。
以前までは疲労のピークを迎えたらオフを取るというような根性論でしかないプランだったため、回復が追いつかず、使用重量の低下→筋量を失うという結果を招いたため、今回は計画的にオフを入れながら元気な状態でトレーニングが行えるようにしました。
トレーニングで気をつけたことは
・コンパウンド種目を中心に「重量を落とさない」ようにする
・「満遍なくではなく弱点」を重点的に種目選択をする
の2つです。
当たり前のことですが、減量に入ると常に栄養が足りていない状態なので筋肉を大きくすることは生理学上不可能です。
さらに、体重が減少していく際にはどれだけ栄養や休息に気を遣っても、落ちた体重の3分の1は筋肉が失われることがこれまでの研究でわかっています。
そのため、筋肉に強いシグナルを送り込むためにできるだけ重量が扱えるコンパウンド種目(多関節運動)を選択し、意地でも挙げる意識でトレーニングを行いました。
もう一つは弱点を重点的にすることです。
ボディビル競技は弱点のない身体の方が評価が高くなります。
ボディメイクをするとなると、ついついトレーニング全体のバランスを重視して全身が満遍なく回るようにプログラムを組んでしまいがちです。
しかし、競技となると話は別です。
自分に足りていないところ、自分の苦手な部位、苦手な種目ほど人一倍やらないと改善ができません。
むしろ、自分の得意な部位はほとんどやらなくてもいいんじゃないかとも思っているくらいです。
ということで、特に課題の胸の上部と肩のサイドはルーティンに関わらずほぼ毎回取り入れるようにしました。
◉減量結果
実際にほぼ計画通りのペース体重は落ちていき、大会当日は60kgを下回るくらいの体重まで落とすことができました。
身体のサイズに関しても、前回出場した時の同じ体重と比べても大きさは残ったと感じています。
課題のアウトラインは決して良いとは言えませんが、自分なりに改善することはできたと思います。
ただ、課題もたくさん見つかりました。
1つは脚前面のカットが出ないということです。体脂肪は落ちているのにカットが出ない…
コンペティターなら経験している方も多いはずです。
カットが出ない最大の原因として足部のアライメントが崩れていることがあります。
簡単に言えば「姿勢不良、機能不全」です。
関節が正しいポジションにないと、筋肉も収縮伸展がうまくいかず、体脂肪が落ちても溝がハッキリしなくなります。
この場合、いくらレッグエクステンションをしたところで改善できないので、根本的に身体の機能から整える必要があります。
地味なトレーニングとコンディショニングになりますが、ボディメイクのレベルを一段上げるためにもこのオフから見直していこうと思います。
もう一つは腹部の絞りの甘さです。腹筋が以前よりはっきりしなかった原因として、一年間のブランンクで皮が伸びてしまったこと、オフで脂肪を乗せすぎたことがあります。これはオフ期間の取り組みが結果を左右することなので、このオフからは体脂肪率の管理をしっかりとしながらある程度のコンディションを保ったまま過ごそうと思います。
約一年間かけて大会への準備を進めてきましたが、ステージに立つのは10分程度。
さらにその中でポーズが取れる時間はたったの3分ほどしかありません。
それでも、その3分のために自分のカラダを研究しできることを最大限にやり尽くす。
ここにスポーツの魅力が詰まっていると思います。
自分ではできていると思っていてもまだまだできていないことの方がほとんどです。
色々な方からアドバイスをいただいたり、調べたり、自分のカラダで実験を繰り返しながら、理想とする身体をこれからも引き続き追い求めていこうと思います。
今シーズンで得られた経験は、お客様の身体づくりへの還元と
自分のこれからのボディメイクに役立てたいと思います。
↓
6月から10月までの1ヶ月ごとの身体の変化です。
撮影場所や服装、ライティングにばらつきはありますが…😅

もっとサイズを大きくしてバランスのとれた美しい身体を作り続けていく。
ボディメイクに終わりはないです。。