ATPとは?筋トレに必要な「エネルギー」の話
- tremjapan
- 10月8日
- 読了時間: 5分

みなさんこんにちは!
明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。
筋トレやボディメイクをしている中〜上級者になると、「ATP(アデノシン三リン酸)」という言葉を耳にしたことはありませんか?
「なんとなくエネルギーのこと?」という認識の方が多いですが、実は筋肉を動かすすべての瞬間に関わる、重要な物質です。
この記事では、ATPの基本からトレーニングや栄養との関係についてを、ボディメイクの視点でわかりやすく解説します。
◆ ATPとは?身体のエネルギーの「お金」のようなもの
ATPはアデノシン三リン酸と呼ばれ、身体の中でエネルギーをやり取りする“お金”のような存在です。
身体のあらゆる活動…
例えば、筋肉の収縮・神経伝達・ホルモン分泌・回復などにはエネルギーが必要で、その支払いに使われるのがATPということです。
ATPは、アデノシンという分子に「リン酸」が3つ結合してできています。
このリン酸の結合が切れるときにエネルギーが放出され、筋肉を動かす燃料になるのです。
つまり、
「ATPが分解される=筋肉が動く」
ということです。
◆ 筋肉が動く3つのエネルギー供給システム
ATPは常に使われ続けていますが、身体の中にはたった数秒分の量しかありません。
そのため、身体は「ATPを補充する3つのシステム」を使って、途切れずエネルギーを作り続けています。
① ATP-CP(クレアチンリン酸)系
→ 短時間・高強度の動き用
アスリートの「ダッシュ」や、ボディメイクで1RMのベンチプレスに挑戦する時のように、数秒間の全力動作ではこのシステムが活躍します。
筋肉内にある「クレアチンリン酸(CP)」が分解され、すぐにATPを再合成。
反応が速いため瞬発的な力を発揮できますが、7秒ほどで限界に達します。
例えばTremのパワーマックスは7秒、ワットバイクは6秒と、パワー系の種目ではこのように短時間で出力されるように設定されていますよね🤮
筋トレ:
ベンチプレス1〜3回、デッドリフト、など。
栄養面のポイント:
クレアチンをサプリで補うと、この系のエネルギー再合成力を高められます。
② 解糖系
→ 中強度・中時間の運動用
ATP-CP系が切れたあとに働くのが、筋肉内の糖(グリコーゲン)を使う「解糖系」。
約30秒〜2分ほどの運動で主に使われます。
糖を分解してATPを作りますが、副産物として乳酸が生まれ、筋肉が「焼けるように痛い」と感じる原因になります。
特にボディメイクの筋トレでは、筋肥大に有効です。
1セットを8回から15回に設定することが多いのは、綺麗なフォームとテンポでこの回数を行うと、1セットがだいたい30秒-2分で終わるようになっているからです☝️
筋トレ例:
ベンチプレス8回→ペックフライ15回、など。
栄養面のポイント:
糖質をしっかり摂っておかないと、この系が機能せず持久力も落ちてしまいます。
③ 有酸素系
→ 低強度・長時間の運動用
酸素を使って、脂肪や糖を燃やしてATPを作るのがこのシステムです。
反応はゆっくりですが、長時間エネルギーを供給できるのが特徴になっています。
2分以上運動を継続すると、身体は有酸素系のシステムに移行し、20分前後で完全に有酸素系の代謝をするようになると言われています。
体脂肪を落とす減量目的の有酸素運動は、20分以上が良いと言われているのはそのためです🚴
筋トレ例:
軽いジョギング、ウォーキング、バイク、クロストレーナーなど。
栄養面のポイント:
脂肪酸や糖を使うため、減量期でも極端な糖質カットはNGです。ATP供給が落ち、筋トレの質が下がります。
エネルギー不足になりすぎると自分の筋肉を削ってエネルギーにしてしまいます。
◆ ATPが切れると筋トレが止まる
筋トレ中、「力が入らない」「フォームが崩れる」と感じるのは、単に筋繊維が疲れているだけでなく、
ATPの再合成が追いつかないことも考えられます。
たとえばベンチプレスで限界まで追い込むとき、筋肉はどんどんATPを消費します。
クレアチンリン酸も糖も使い切ると、筋肉は「燃料切れ」になり、動かなくなります。
これがまさにオールアウトと呼ばれる、筋肉が力尽きる瞬間です。
本当に追い込もうとなるとここまでしないとダメですね😅
◆ トレーニングとATP再合成の関係
筋肉を成長させるには、「エネルギーがしっかり回る体」を作ることも重要です。
ATPの再合成を効率化するには以下のポイントが大切です。
1.休息をとる
→ クレアチンリン酸の回復には数分必要。
インターバルを取るのは理にかなっています。
2.クレアチンを摂る
→ クレアチンはATP再合成を助ける代表的な栄養素。
1日3〜5gを継続的に摂ると、筋力やパフォーマンスの維持に効果があります。
3.糖質をしっかり摂る
→ 「糖抜きダイエット」をしてATPが作れない状態では、トレーニング効率が落ちます。
特にハードトレーニングを行う人は、筋グリコーゲンの補給が重要になります。
4.有酸素運動でミトコンドリアを鍛える
→ 有酸素系のATP生産工場でミトコンドリアを増やすことで、全体的なエネルギー効率がアップします。
つまり、ただ休む、ただ食べる、ではなく、エネルギー代謝能力を高めるために休んで、必要な栄養素を摂らないといけないということです。
ここまで頭を使ってボディメイクに取り組むと必然的に意識も向上するので身体も変化していくはずです🔥
◆ まとめ
「ATPを制する者が筋トレを制す」
ATPは、筋トレ中の一瞬一瞬でエネルギーを渡す「お金」のようなもの。
これがなければ、筋肉は動きません。
・クレアチンリン酸系で瞬発力を
・解糖系で中強度トレーニングを
・有酸素系で回復と脂肪燃焼を
それぞれうまく回すことで、筋トレの質・持久力・回復力すべてが向上します。
「ATPを理解して扱うこと」が、筋肉を最大限に活かす鍵です。
みなさんもぜひ明日から実践してみてください💪