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パンプアップって?

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みなさんこんにちは!

明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。


トレーニングをしていると

「腕が太くなった」

「胸がパンパンに張っている」

と感じること…ありますよね?


この一時的な筋の張り感のことを「パンプアップ(Pump Up)」と呼びます。

ボディビルダーの間では「パンプこそ快感」と言われるほど、モチベーションを高める現象でもあります💪

あのアーノルドシュワルツェネッガーも

"おしゃべりは後にしてくれ。パンプが冷めちまう。"という名言(?)を残していますよね!笑


余談が長くなりましたが、このパンプアップは

単なる「見た目の変化」ではなく、筋肉内の血流・代謝・水分バランスの変化によって起きる生理学的な反応であり、ボディメイクにおいてはとても重要になります。




■ パンプアップのメカニズム


パンプアップの主な原因は、以下の3つの要素に分けて考えることができます👇



① 筋収縮による血流制限(筋ポンプ作用)


筋トレ中、筋繊維は強く収縮を繰り返します。

このとき、筋肉内の毛細血管が圧迫されて「血液が一時的に流れにくくなる」状態になります。


しかし、動脈側からは血液が送り込まれ続けるため、筋内に血液が滞留します。

これにより筋肉が内側から膨張し、張りを感じます。


この現象を「筋ポンプ作用(muscle pump)」と呼びます。

つまり、筋肉がポンプのように血液を押し出したり、ため込んだりしているというわけです。




② 代謝産物の蓄積(乳酸・水素イオン)


強度の高いトレーニングを行うと、筋細胞では解糖系のエネルギー代謝(前回の記事で少し触れました)が活発になります。

その過程で生じるのが「乳酸」や「水素イオン」といった代謝産物です。


これらが筋内に蓄積すると、浸透圧が高まり、周囲の血液や細胞間液から水分が筋細胞内へ移動します。

これが筋肉をパンパンに張らせるもう一つの要因です。


つまり、パンプアップ=血液+水分の一時的な増加による細胞の膨張現象といえます。

筋肉そのものの量が増えたわけではないのでお間違いなく😅




③ 血管拡張物質の分泌(NO=一酸化窒素)


筋肉が酸欠状態(低酸素環境)になると、血管内皮細胞から一酸化窒素(NO:Nitric Oxide)が分泌されます。

一酸化窒素は血管を拡張させ、より多くの血液を筋肉に送り込む作用があります。


その結果、筋肉はさらに血液で満たされ、パンプアップが最大化されます。


色々なサプリメントみていると、「パンプアップを助ける」などの謳い文句をみたことはありませんか?

あれは、NOブースター(シトルリンやアルギニンなど)と言って、この仕組みを利用したサプリメントのことです。

筋トレにハマった1年目から3年目くらいまでは私も色々と漁りました(笑)

これだけで劇的な効果が得られるわけではないので、当たり前ですがトレーニングの質を上げていくこと、そのための栄養・休養のリカバリーを極めていくことが大前提です!




■ パンプアップは一時的な現象


パンプアップによるサイズアップは、基本的には数時間で元に戻ります

血流が正常化し、乳酸や代謝産物が代謝されることで、筋肉内の水分量も元に戻るためです。


しかし、パンプアップを繰り返すことが無意味かというと、そうではありません。

近年の研究では、パンプアップによる「細胞膨張」が筋肥大の刺激になりうる可能性があると言われています。


ボディビルダーはステージ直前になると、この一時的なパンプを狙ってステージ裏では軽い負荷で筋トレをします。

決してそのままステージに立つわけではないですからね😅あのパンプアップがめちゃくちゃキツイです…

また、前述したように水分のバランスも非常に大切になるため、選手のみなさんは自分にとってのベストな量とタイミングを研究しています。




■ パンプアップが筋肥大に与える影響


筋肥大は、主に以下の3つの刺激で起こるとされています。


1. メカニカルテンション(力学的負荷)

2. 筋損傷(筋繊維の微細損傷)

3. 代謝ストレス(乳酸・H⁺などの蓄積


パンプアップは、このうち③の「代謝ストレス」と深く関係しています。

細胞が膨張すると、筋細胞は「膜が張りすぎて壊れるかもしれない」と感じ、防御反応としてタンパク質合成を促進します。


つまり、パンプアップは一時的な変化でありながら、筋肉を成長させるシグナルの一つとして機能しているともいえます。


筋トレのメニューを組む時も、メカニカルテンションを狙って高重量低回数の種目と代謝ストレスを狙って低〜中重量高回数の種目の両方を取り入れると成長は加速するはずです。


ただし、何回もお伝えしているようにパンプ狙いのトレーニングだけでは筋肉の成長はできません。

鏡に映るパンプしたかっこいい自分の姿に酔って、強度の低いトレーニングばかりせず、がむしゃらに重さに挑戦することも忘れないでください🫵




■ パンプアップを最大化するコツ

1. 中重量・高回数(8〜15回×3〜4セット)で追い込む

→ 筋内の血流制限と代謝産物の蓄積を狙う。

2. セット間の休憩は短く(30〜60秒)

→ 血液を滞留させ続ける。

3. 水分と炭水化物を十分に摂取

→ 筋細胞の水分保持を助け、パンプを高める。

4. トレーニング前に軽くウォームアップ

→ 血管を拡張し、パンプしやすい状態をつくる。




■ まとめ


パンプアップとは、

「血流の滞留」「代謝産物の蓄積」「血管拡張反応」によって起こる一時的な筋の膨張現象です。


運動生理学的には、筋内圧・浸透圧・代謝ストレスといった複数の要因が関わっています。

一時的な見た目の変化だけでなく、筋肥大を促すサインとしても有効です。


トレーニング中にパンプを感じたら、それは筋肉が確実に反応している証拠です。

「張ってきた!」という感覚を楽しむだけでなく、理論的にパンプを狙うトレーニングをして筋肉を育てていきましょう💪

 
 
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