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身体の左右差は本当に悪いことなのか?

10月9日
読了時間: 5分

こんにちは。

三宮のパーソナルトレーニングジムTrem(トレム)、鍼灸師・トレーナーの金澤です。


「右と左で身体の硬さが違うんです」


「片脚だけバランスが取りにくいんです」


「左右差があるので、治した方がいいですよね?」


実際にTremでセッションを行っていると、

お客様からこのようなお話をいただくことがよくあります。


ご自身の身体の左右差に気づき、それを改善したいと考えることは、決して悪いことではありません。


ただ、ここで一つ考えていただきたいことがあります。


そもそも、身体の左右差は本当に悪いことなのでしょうか?


今回は、人間の身体が持つ左右非対称性について、

解剖学や運動科学の観点から解説していきます。


① 人間の身体は、そもそも左右対称ではない


人間の身体を正面から見ると、左右には同じような筋肉や骨が配置されています。


大胸筋、腹直筋、大腿四頭筋など、

基本的には左右一対の構造を持っています。


そのため、無意識に「左右対称であることが正常」と考えてしまいがちです。


しかし、身体の内部まで目を向けてみると、話は変わってきます。


例えば、心臓は胸郭の中央付近にありますが、

その大部分は左側に位置しています。


肝臓は主に右側にあり、胃や脾臓は主に左側に位置しています。


さらに、左右の肺も同じ構造ではありません。


右肺は3つの肺葉、左肺は2つの肺葉から

構成されており、形状や大きさにも違いがあります。


つまり、人間の身体は、生まれながらにして

左右非対称な構造を持っているということです。


ただし、内臓の非対称性が、

そのまま筋力や柔軟性の左右差を生み出すと証明されているわけではありません。


ここでお伝えしたいのは、

左右対称であることだけが身体の正常な状態ではない

ということです。


② 左右差がある=身体に問題がある、ではない


では、筋力や柔軟性、バランス能力に左右差がある場合はどうでしょうか。


例えば、

右脚では片脚立ちが30秒できるのに、左脚では20秒しかできない。


右肩はスムーズに上がるのに、左肩は少し動かしにくい。


このような違いは、日常生活やトレーニングの中でも珍しいものではありません。


私たちには利き手や利き脚があり、日常生活でも左右をまったく同じように使用しているわけではありません。


スポーツでは、その傾向がさらに顕著になる場合があります。


野球の投球動作

サッカーのキック

テニスのサーブなどは、

そもそも左右対称に行う動作ではありません。


そのため、競技特性に応じた左右差が生じることもあります。


重要なのは、

左右差が存在することと、

その左右差が問題を引き起こしていることは別である

という点です。


③ 左右差があると怪我をしやすい?


左右差についてよく聞かれるのが、怪我との関係です。


確かに、筋力や可動域の大きな左右差が、

特定のスポーツや動作において傷害リスクと関連する可能性はあります。


しかし、すべての左右差が怪我の原因になるわけではありません。


例えば、Maloney(2019)のシステマティックレビューでは、下肢の筋力やパワーの左右差とスポーツパフォーマンスの関係が検討されています。


その結果、

左右差が大きいほどパフォーマンスが低い傾向を示す研究がある一方、

測定項目や競技によって結果に違いがあることが報告されています。


また、Bishop(2018)は、

左右差を評価する際には、どの能力を、どの方法で測定するかが重要であると指摘しています。


つまり、単純に「左右差が何%あるから悪い」と判断することは難しいのです。


左右差そのものを見るのではなく、

その人の競技、身体の状態、動作の特徴などを総合的に評価する必要があります。


④ 左右差はなくすべきなのか?


ここで大切になるのが、トレーニングの目的です。


例えば、左右で筋力に差があったとしても、痛みがなく、日常生活やスポーツに支障がなければ、


必ずしも左右を完全に揃える必要はありません。


一方で、

片側だけに痛みがある、

特定の動作で力が発揮できない、

怪我からの復帰過程にあるといった場合には、


左右差を詳しく評価する意味があります。


また、左右差があるからといって、

必ずしも弱い側だけを鍛えればよいというわけでもありません。


関節の構造、筋力、柔軟性、神経系による運動制御など、

さまざまな要素が動作に影響するためです。


例えば、片脚スクワットで左側だけ膝が内側に入る場合でも、


原因が単純に左脚の筋力不足とは限りません。


股関節の可動域や足部の機能、バランス能力、動作の習熟度なども関係している可能性があります。


そのため、見た目の左右差だけを修正するのではなく、

なぜその動作が起こっているのかを考えることが重要です。


⑤ Tremが考える左右差との向き合い方


Tremでは、筋肉単体の強さだけでなく、

身体全体の動きに着目してトレーニングを行っています。

左右差についても同様です。


私たちが大切にしているのは

、左右を完全に同じ状態にすることではなく、その人が目的とする動作を適切に行える身体をつくることです。


身体の構造や生活習慣、運動経験は一人ひとり異なります。


当然、動きやすい姿勢や力を発揮しやすい方法にも個人差があります。


だからこそ、左右差という一つの情報だけで身体の良し悪しを決めるのではなく、


実際の動作を評価することが必要だと考えています。


まとめ|左右対称を目指すことが正解とは限らない


人間の身体は、もともと完全な左右対称ではありません。


そして、筋力や柔軟性、バランス能力に左右差があることも、必ずしも異常ではありません。


もちろん、改善した方がよい左右差も存在します。


しかし、それは左右差があるからではなく、

その左右差が痛みや機能、パフォーマンスにどのような影響を与えているかによって判断するべきものです。


大切なのは、左右差をなくすことではなく、その左右差を理解すること。


左右対称という見た目の正しさにとらわれず、一人ひとりの身体に合った動きを考える。


それが、Tremの考える身体づくりです。


 
 
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