みなさんこんにちは!
明石のパーソナルトレーニングジムTremの大元です。
本格的に夏が始まりましたね🌞
先週27日にはANNBBF福岡オープンが開催され、今回は運営スタッフとして参加してきました。
10月20日(日)に開催の全日本選手権の出場権を獲得すべく、九州地方の選手を中心に選手が集まっていました。
今年一発目の大会。
自分は出ていないですが、仕上がった選手の身体を目の当たりにするといよいよコンテストシーズンが始まったなと感じます。
というわけで今回は【ボディ系コンテストに向けた減量】というテーマでブログを書きたいと思います。
選手向けの内容になるかもしれませんが、一般のダイエッターや、見た目を重視した体づくりをする方にも関連したことがたくさんあると思いますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います🙏
ビキニ、フィジーク、ボディビルといったコンテストに出場するほとんどの選手は大会当日までに「減量」をします。
競技歴やカテゴリ、目指すべき絞りとそれに対するそれぞれの今のコンディションによって期間は異なりますが、大半の方は3ヶ月以上を設定していることが多いです。
半年以上かけてじっくり身体を仕上げる選手もいるため、大会まではかなり過酷な道のりです。
ボディビルは審美性を競う競技です。
そのため、ただ体重が落ちればいいというわけではなく、体脂肪を低くし、筋肉の形をハッキリさせるようにコンディションを作らなければなりません。
なかなか体重が落ちなかったり、
絞りが間に合うかの不安が出てきたり、
特に正しい知識がない状況での減量はさまざまな落とし穴に陥ることが多いです。
これまでの指導の経験や私自身の経験に基づいて、よくあるミスについて紹介していこうと
思います。
▪︎過度なカロリー制限
大会に出場する選手であれば誰もが経験したことがある悩みではないでしょうか。
なかなか体脂肪が落ちなかったり、計画していた減量スケジュールの通りに絞れなかったり、周りと比較してまだまだだ甘いと感じ、つい極端な減量をしてしまうことがあります。
思い切り振り切って攻めの減量をする姿勢は否定しないですが、過度なカロリー制限を行えば、
・筋肉の著しい減少
・急激な血糖値の増減による空腹感
・体調不良
が起きることも事実です。
それでも気合い乗り切る、あるいは無茶をしても悪影響が起きない特異的な体質であれば問題ありませんが、ほとんどの人がそうはいきません。
一定期間を過ぎたあたりから急激にトレーニングパフォーマンスが低下したり、身体のラインがガリガリになったり、自分の意思に反して爆食をしていまったり…
こういった負の連鎖を巻き起こしてコンディションを崩すことは自分自身も経験があります。
こうならないためにも事前に計画を立てて長めに減量期間を設けることも有効です。
野球のようにサヨナラ満塁ホームランといった一発逆転のない競技のためとにかく計画的にカロリーを落としていくことが大切です。
▪︎偏ったマクロバランス
筋トレをしていると頭の中は「タンパク質命!」「脂質は悪!」となりがちです😅
しかし、PFCバランスと呼ばれるタンパク質・脂質・炭水化物の割合が崩れると、
・筋肉の回復が遅れる
・筋肉量の維持ができなくなる
・体脂肪の減少が進まなくなる
と言われています。
脂質も全体のカロリーの15%以下(20%ともいわれています)になるとホルモンバランスに悪影響をもたらします。
そもそも減量も増量も身体が「正常に機能する」ことが大前提です。
身体に異常がある状態では防衛反応を起こし、筋肉をつけることも体脂肪を減らすこともしなくなります。
ついつい多く取りがちなタンパク質に関しても、
体重×2.2~2.4gまでの範囲で十分というデータがあります。
全体的なカロリー摂取量が決まったら、
①まずは最優先で必要なタンパク質量を決める
②次に全体のカロリーの20%を脂質にあてる
③残ったカロリーを炭水化物にする
減量初心者や、自分の身体の特徴が掴めないうちは上記のような流れでタンパク質・脂質・炭水化物といったPFCバランスの割合を決めるのがいいかもしれません。
※最適なPFCバランスは個人によって異なります。
その都度データを取りながら自分に合ったバランスで減量をすることが大切です。
▪︎過度なトレーニング
そもそも論になりますが、減量中はアンダーカロリーで長い期間を過ごすため、筋肉を合成してバルクアップすることはほぼ不可能と言えます。
そのため、いかにしてオフシーズンで貯えた筋肉を「残せるか」が鍵となります。
そのためには重量を落とさないようなトレーニングをしないといけませんが、これも追い込むスイッチが入りすぎてついついやり過ぎてしまうことが多く見受けられます。
栄養が不足しているこの減量期間では、
疲労の回復が遅れがちになります。
その状態でトレーニングをしてケガをしてしまっては元も子もありません。
しばらくの間、ケガをした部位をトレーニングできないとなると筋肉量は著しく低下する恐れがあります。
こういったことからもケガしないギリギリのライン、高いパフォーマンスを出すために疲労が蓄積しないラインを見極めてトレーニングをしていくことも競技者にとっては必要な能力になると思います。
「ハートは熱く、頭は冷静に」ではないですが、今のカラダの状態や取り組みを客観的に見て、適宜オフを取ったりトレーニングルーティンを変更することも重要になります。
▪︎一貫性のない減量
みなさんはトレーニングや食事は毎回きちんと記録していますか?
減量中にトレーニングや食事の内容をコロコロ変える方がいますが、それでは何が良くて何がダメだったのかの原因を特定することが難しくなります。
食べたものや量、睡眠の時間と質、トレーニング内容と動作の質、脳がうけたストレスなど…ヒトの身体の状態は日々変わるものです。
自分でコントロールできることはある程度一貫性を持たせてあげないと原因を特定できないまま大会当日を迎えてしまったなんてことがよくあります。
2、3日体重が変わらないことはもちろん、食べたものは一緒なのに体重が増えているということもよく起こります。
こういった時に一貫性のある減量で記録を取っていれば結果に一喜一憂せず、"淡々とやるべきことをやる"に徹することができます。
もし同じことを続けて、2週間以上体重も見た目も変わらないのであれば食事内容やトレーニングの見直しをした方がいいかもしれません。
それくらいのイメージです。
自分データを取るためにも一貫した取り組みは非常に重要です。
今回は減量中に陥りやすいミスについて書いてみました。
内容的にはどれも当たり前と言えることばかりだったと思います。
しかし、いざ自分がその当事者になると、当たり前のことがわからなくなるということはよくある話です。
固定概念や、古い慣習からくる常識にとらわれてしまったり、
減量モードに入り込み過ぎて、やり過ぎてしまったり…
気持ちが入るがゆえに自分を見失ってしまうことにも注意しないといけません。
冷静な判断が必要になります。
今の取り組みを正しく評価するためには、エビデンスに基づいたトレーニング理論、生理学、栄養学の理解度を上げることとパーソナルトレーナーなどから客観的な意見をもらうことは有効な手段だと思います。
ボディビルは、減量大会でも力比べ大会でもありません。
あくまでボディビルはボディビルだと私は考えています。
答えのない答えを日々探していく中で、前の自分よりよくなるためにはどうしたらいいだろう?これを繰り返した先に理想の身体を手に入れることができるのではないでしょうか。
これから秋にかけて各団体コンテストも増えてきます。
仕上がったカラダになる前は、食事トレーニング共にどうしても耐えないといけない局面が選手の皆さんにはあるはずです。
そんな時に冷静に客観的に自分を見れる力があれば良いと思います。
"当たり前"や"普通"を続けることは
簡単に見えて実は一番難しいことだと思いますが、継続の先に良い結果が待っていると信じて、やるべきことを淡々とこなしていきましょう。
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