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腰の痛みは足が原因!?

こんにちは!

神戸垂水のパーソナルトレーニングジムTrem(トレム)、鍼灸師・トレーナーの金澤です。


腰に痛みを感じたとき、多くの人は「腰そのもの」に原因があると考えます。


しかし、実際の現場やカラダの構造を深く見ていくと、原因が腰以外にあるケースが非常に多いことがわかります。


その一例が、「足の筋肉」。


特に、太ももの裏(ハムストリングス)やふくらはぎ、そして背中の脊柱起立筋といった筋肉の状態が、腰に大きな影響を与えているのです。


キーワードは「筋膜(きんまく)」のつながり。


このブログでは、なぜ足の筋肉が腰の不調を引き起こすのか、そしてどのようにケアすればいいのかを、解説していきます。



■ 筋膜とは?──全身を包む「第二の骨格」


筋膜とは、筋肉や骨、内臓などを覆う薄い膜状の組織で、全身を包み、つないでいます。


この筋膜は、単に部位を包んでいるだけでなく、組織同士の滑りや連動性、力の伝達にも関与する重要な存在です。


私たちの身体は、筋肉や骨がバラバラに動いているわけではありません。筋膜によって全身が立体的なネットワークとしてつながっていることで、日常の動作がスムーズに行えるようになっています。

このため、筋膜のどこかが硬くなったり癒着したりすると、本来の連動が妨げられ、他の部位に過剰な負担がかかるという現象が起こります。

つまり、「腰が痛い=腰に原因がある」とは限らないのです。



■ 腰とつながる筋膜のライン「バックライン」


筋膜には「アナトミートレイン」と呼ばれる、一定のパターンで張り巡らされたラインがあります。


その中でも腰痛に関係が深いのが、バックライン(後面線)です。


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このバックラインは以下のように走行しています

  • 足の裏

  • ふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)

  • 太ももの裏(ハムストリングス)

  • 骨盤

  • 脊柱起立筋(背骨沿いの筋肉)

  • 後頭部〜頭頂部

このように、足裏から頭までひとつながりになっているため、ふくらはぎやハムストリングスが硬くなると、そのテンションが腰にまで波及するのです。


張力の変化が全体に伝わるため、腰自体が「結果的に張っている・痛んでいる」状態になるのです。



■ 見逃されやすい「足の筋肉の硬さ」


では、なぜ足の筋肉が硬くなってしまうのでしょうか?

原因として多いのは、以下のような生活習慣です。


  • 長時間の座り仕事(ハムストリングスが常に縮んだまま)

  • 運動不足(筋肉を伸ばす機会が少ない)

  • 靴の不適合(ふくらはぎや足裏への負担が増す)

  • 姿勢の癖(骨盤の歪み → ハムや背筋の過緊張)


これらの要因が重なることで、筋膜の滑走不良や癒着が起こり、筋肉が本来の長さ・柔軟性を失ってしまいます。


すると、骨盤の動きが制限されて腰が代償的に働き、痛みや張り感が出てきます。



■ 腰が張る・疲れるのは「結果」でしかない


「朝起きたときから腰が重い」「夕方になると腰が張ってくる」こうした症状を訴える人は多くいますが、その多くが腰以外に原因を持っていることがわかってきました。


ポイントは、「腰は“被害者”であることが多い」という視点。


たとえば、ハムストリングスが硬くなって骨盤が後傾すれば、姿勢は丸まり、脊柱起立筋が常に緊張状態になります。

これは長時間のデスクワークなどでもよく見られるパターンで、腰を押したり伸ばしたりしても一時的にしか解消されないのはこのためです。

また、ふくらはぎが硬くなると、地面を蹴る動きに制限が生まれ、歩き方や姿勢にゆがみが生じ、やはり腰にストレスが集中します。


つまり、腰の痛みは単なる“結果”であり、真の原因はもっと下(足)にあるということを知っておく必要があります。



■ 対処のポイントは「全体をほぐす」こと


腰がつらいと、どうしても腰ばかりにアプローチしてしまいがちですが、前述の通り、それでは根本的な改善にはつながりません。


大切なのは、腰だけでなく、全身、特に下半身の筋肉を含めた“全体”をほぐすことです。


ハムストリングスやふくらはぎ、足裏、骨盤周辺などの柔軟性を高めることで、筋膜の張力バランスが整い、腰への過剰な負担が軽減されます。


局所的に対処するのではなく、全体の連動性を取り戻す意識が、慢性的な腰の不調を解消するカギとなります。



■ まとめ


腰痛=腰が悪い、という固定観念は、筋膜という視点から見ると非常に限定的です。

むしろ、足の筋肉の硬さや使い方のクセが、腰に“影響を与えている”ケースが多いということを、多くの方に知っていただきたいと思います。


筋膜は全身をひとつに結びつけているため、どこか一箇所の乱れが、別の場所に“症状”として表れるのです。


「マッサージしてもすぐ戻る」「腰ばかり気にしているのに良くならない」そう感じているなら、今こそ「足」から見直してみると、解決の糸口が見えてくるかもしれません。



 
 
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